不思議その1
東京都下のPCR検査数の曖昧さ、あるいは少なさは多くの専門家や識者の指摘するところであり、正確な感染者数の把握は出来ていない、実際の数は一桁も場合によっては二桁も大きいかもしれないと投稿者は思っている。そして死亡者数も諸外国に比べて、極端に少なく、5月10日現在、646人に過ぎない。現時点での単純死亡率は3.9%であり、諸外国よりこの率もかなり小さい。
これはどうゆう事だろうか、もし、筆者が思っているように、感染者数が多ければ、死亡率は一桁も二桁も下がるはずだ。さすがに死亡者数は大きくは間違っていないだろう。先日死因不明者をPCR検査したら、11人の陽性者がいたとの報告があった。その程度である。
ところでインフルエンザはどうだろうか。例えば、インフルエンザでは、流行年とそうでない年の差が大きいが、年間1000人から3000人が亡くなっている。2018年は3325人、2019年は1月に1685人、2月に1107人、9月までしかデータがないが、3000人を超えている。新型コロナはインフルエンザよりずっと少ない。しかし、みんなが知っている有名人の志村けんさんをはじめ、岡江久美子さんが亡くなっている。経済界でもスポーツ界でも何人か亡くなっている。インフルエンザでこれほど亡くなったというニュースはあまり記憶にない。ニュースにならないだけなのかもしれないが、何か肌感覚と違うような気もする。死亡者数はもっと多い可能性があるのか。ちなみに、ここのところ新聞などで取り上げられる有名人の死因は癌に次ぐように多いように思う。ガンでなくなる人は年間30数万人、月間2.5万人ぐらいである。
不思議その2
データが正しいとして、日本人の感染者数(自覚症状のあった)と死亡者数が諸外国に比べて、極端に少ない。PCR検査数の少なさもあるだろうが、その理由について、山中伸弥教授は、「ファクターX」と名付けている。ファクターXの候補は BCGの接種であったり、日本人の玄関で靴を脱ぐことやマスクをするなどの生活習慣を候補にしている。まさかデータのねつ造ではあるまい。
不思議その3
上記の事実(日本人は特別)は、政府・専門家も、地方自治体も分かっているだろう。それなら、新型コロナは、ワクチンはない特効薬もないとはいえ、インフルエンザよりよっぽど軽い疾病ではないか。インフルエンザは毎年何百万人ものワクチン注射をしているにもかかわらず、前述の死亡者数である。外出自粛は必要だろうか。公表されていない事実があるのだろうか。
EUでは都市封鎖の緩和に、(1)実効(実行)再生産数が1を下回ること(2)PCR検査体制の拡大 (3)集中治療室(ICU)の確保を基準にしています。
実効再生産数とは、1人の感染者から二次感染者が生まれる数の平均値。「1」未満だと感染拡大が抑えられるとされています。大変、分かりやすいパラメータで、国民が知りたい数値です。
安倍首相は4日夜、14日をめどに「緊急事態宣言」の解除基準について公表する考えを明らかにしました。
実効再生産数については、ドイツは毎日発表しています。3月上旬には「3」以上あったが、4月30日は「0.76」まで落ちています。
日本では、緊急事態宣言が出された4月10日に実効再生産数は、全国 0.71、東京都 0.53と発表されて以来、発表がされていません。(4/10の数値0.53でなぜ宣言の発表になるのか? 説明不足です。)
山中教授が、大阪府、北海道、および京都市のホームページから感染者数の推移をダウンロードして、実効再生産数を計算しています(5/3)。計算結果から、3密を避けた市民の努力の効果がわかります。
東京に関しては、新規感染者を見つけるための検査数の実態を知ることが出来なかったため、実効再生産数の計算は断念したとのこと。
舛添要一さんが、『なぜドイツでできて、日本ではできない』〔実効再生産数〕 毎日公表しない専門家会議を批判しています。
この数値の計算には、PCR検査の新規陽性率が必要なのです。
大阪府は陽性者の退院時の検査数は除いて計算しています。一方、政府・他府県は退院時の検査数を把握していないので正確な新規陽性者数が算出できないのです。
なぜ大阪府だけが集計できたのか? 吉村知事の指示の下、府庁職員が保健所・病院・検査機関に対して毎日ヒヤリングをかけているそうです。


昨日、すごく大きなニュースがあった。しかしあまり取り上げられていない。ぜひ、下のサイトを読んでもらいたい。
神戸市立医療センター中央市民病院が、4月7日*までに、来院者1000人に対して行ったもので、なんと3.3%の人が、抗体を持っていたというものだ。
このことの意味は、既に、4月の初めまでの期間に3.3%の人が新型ウイルスに罹り、知らないうちに直っているという事を示している。政府専門家会議はこのことをどう扱うか興味深いが、バイアスがかかっているだの、検査方法に問題があると言って取り上げないだろう。確かにいくつか疑問がある。たとえば、サンプル数は十分だと思われるが、検査対象が病院来訪者というバイアスがかかっている。あるいは抗体検査そのものの信頼性が示されていない。たとえば、何らかの疾患を持つ人は掛かりやすいかもしれない。また、検査キットの信頼度は80%ぐらいしかないかもしれない。しかしそれにしても3.3%は大きい。もし正しいなら、今頃は、その10倍ぐらいにはなっているだろう(2倍になるのに10日かかるとすると、30日で16倍)。これなら、ほっておいても自然に流行は止まる。そして重症化率や死亡率はものすごく低いことになる、だから、このままでも、オーバーシゥートにはならない。
この3.3%の感染率は欧米と変らないのである程度納得すると記事に書かれているが、重症化率や死亡率は極端に違うことになる。うれしいことだが、理由が分からないと気持ちが悪い。なぜだろう。人種のせいなのかBCGなのか?
全ては、恣意的なPCR検査のやり方に起因しているように思う。感染者の数はPCRの検査数でいくらでもいじることができる。ここ2-3日の東京の感染者数はおかしいと思っている。検査数を無理やり大きし、かくれ患者を見つけ出し、外出自粛期間を延ばす材料にしている感がある。またその前の50人以下に減ったのも、外出自粛の成果を出すためにPCR検査数を絞った結果ではないのだろうかと疑いたくなる。
*4月7日のデータではない。4月7日以前のものが含まれているから、4月7日はもっと多いはず。しかし残念ながら、開始日は記載されていない。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202005/0013317630.shtml
BCG説についてです。
BCGについては、デンマーク株、日本株、ロシア株、ブラジル株と4系統の株があって、その内の日本株、ロシア株がコロナに対して有効らしいとの話がありますね。


いずれにせよ、個人的には、先が見えてきたように思います。なるべく早く、市中で統計的意味のある抗体あるいは抗原調査を実施してもらい、感染状況を正しく把握して、今後の政策を立案するべきだと思います。


外出自粛がまた1か月程度伸びることがほぼ決まったようだ。決まっているのに、専門家の最終意見を聞いて決めるという、なんともったいぶっていることか。それはさておき、外出自粛がまだ足りないという、だから、感染者の減少率が思っていた程落ちていない、このGWが正念場だと、・・何度正念場だと聞いたことか、・・・、これもさておくとするか。ところで以前、「80%削減が必要な根拠はなにか」という題で投稿をしたが、その時の中村の式を覚えておられるだろうか。市中の患者数の増減は( k− k’)に依存し、kは接触率に比例するので、これが下がると小さくなるというものだった。しかし、この式は(k− k’)なので、 k’が大きくなっても下がることになる。中村によれば、k’は感染者が病院に収容されたり自然治癒して何人が市中から消えるかによって決まる数字と定義されている。つまり、感染者を市中から隔離させると、この数字は大きくなることになる。そのためには、PCR検査を大量に行い、隠れ或いは軽度の感染者を見つけることに他ならない。韓国はこれを徹底的にやって、コロナを収束させたのだ。
翻ってわが日本は、国民に、外に出るなというばかりで、PCR検査を増やして、隠れ患者を発見し隔離するという努力をやっているとは思えない。
こんなに天気が良いのに、外に出られない、罹ると死亡率の高い70歳代の男性の老人(僕のことだが)は、この政府・専門家の仕打ちを忘れないぞ、と言っても自信はないが。
安倍首相が、「PCR検査体制を1日2万件に増やす」と国民に宣言してからもうすぐ1カ月を迎えるますが、いまだその半分の1万件にも届かない状態にあります。
彼は、アベノマスクの配布と同様、「いつまでに」ということは言わないのです。
また、
加藤勝信厚労相は30日の参院予算委員会で、PCR検査に関して1日当たりの処理能力を現在の1万5000件から2万件に拡充するが、「2万件検査するとは言っていない」と発言しました。そして、医師が必要と判断したうえで検査を行うとの従来からの姿勢を説明しました。
つまり、
PCR検査を増やして、隠れ患者を発見し隔離するという方針は、現状、取られていません。


再感染が時々報道で大きく取り上げられます。不思議に思っていました、なぜでしょう。
基本的に、一度かかると免疫が出来てもう罹らないと思いがちです。しかし、インフルエンザ ワクチンは毎年接種します。この理由はインフルエンザの免疫は長持ちしないということです。もう一つ、気になる事があります。このウイルスはRNA型のウイルスです。二重らせんのDNAで増殖=コピーするのではなく一重のRNAを使って遺伝子のコピーをしています。その為、ミスが出やすい、つまり変異しやすいのです。インフルエンザでも、今年は、A香港型予測して、その予測があたっていたとか、なかったとか話題になります。そんなふうにウイルスは変化しやすく、それ専用のワクチンが必要になります。変化してしまってはせっかく作ったワクチンが効かなくなってしまいます。
それで再感染が起きると、その確率は少ないものの、変異株による新「新型ウイルス」かどうか、専門家は注視しているものを思われます。今のところ、断定はできないが、再感染は、ウイルスの変異ではなく、治りきっていなくて、まだ体内に残っていたウイルスが再活性化したものと判断されているようです。
また、ワクチン開発の難しさには交叉性抗体*が悪さをするというものがあるそうです。2013年に発生したH7N9型鳥インフルエンザでは、中年から高齢者に患者が集中し、重症化しました、似てますね。この時の理由は、過去に獲得した、類似のウイルスによる免疫(交叉性)が感染防御免疫として働くのではなく、反対に免疫アレルギー反応を強く誘導した可能性があるとの指摘があります。つまり高齢者は過去に類似のウイルスに罹り、抗体があるせいで重症化したというものです。ワクチンの実際の適用にはこの点も注意する必要があるということです。新型とはいいながら、SARSウイルスに近く、ウイルスの分類上はSARS-CoV-2と名付けられています。
ともかく高齢者は触らぬ神にたたりなしで外出を控えるしかありません。蟄居の時間を有効に使いましょう。蟄居が解けた時、何か一つ、ステップアップしていたら、災い転じて福となすではありませんか。パソコンを勉強するでもいいし、僕みたいに古文書を勉強しませんか。
*参考文献:岡田晴恵・田代真人(2013)、感染爆発にそなえる―新型インフルエンザと新型コロナ;岩波書店
コロナの特設掲示板の設定ありがとうございます。
コロナ対策でも、「撲滅は無理であり共存を目指すべき」という記事も出てきました。
山中教授も言っている。「私たちが一致団結して正しい行動を粘り強く続ければ、ウイルスの勢いが弱まり、共存が可能となります。」
撲滅と共存(共生)が、2者択一的に乱暴に取り扱われることがありませんように…と思います。

